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2013年9月

2013.09.16

Bohemian Blues 2

13_09_16

 Mac はデジタル時代のハブになると、ジョブズが基調講演で述べたのは 2001 年のことだ。
 いまぼくは家を失い、まったく新しい環境で生活しているがその恩恵をたっぷりと受けているといっていいだろう。
 いつも聴いている音楽を楽しみ、そしていつも観ている映画を楽しんでいる。一ヶ月前と同じように音楽を、そして映画を楽しんでいる。これがデジタル時代のひとつの生き方だ。

 今回図らずも家を失うという事態に陥り、いや違うな、定住する場所を捨てたといった方がいいだろう。
 勝手な解釈をしてと笑う人もいるだろうが、今回の件では、ぼくなりにいろいろと考えたことは事実だ。人はほんとうに家を「持つ」必要があるのか? と。
 ノマドという言葉が一時期流行ったが、単にオフィスの外で仕事をするということではなく、定住することなく、しかし自分の生き方をきちん実践していくということも可能なのではないだろうか。だから、今回の件に関するエントリーのタイトルは敢えて「Bohemian Blues」にした。ノマドというよりも、個人的には「ボヘミアン」な気分なのだ。いや、ほんとうに自分勝手だけど。

 だからここの生活をあるとき終えたとしても、やはり定住先を求めるつもりは、実はない。逗子に住みたいとは思っているけど、しかし 365 日逗子に住むのは窮屈ではないかとも思っている。
 ぼくはそうやって、いろいろな場所に拠点を作って、そのときどきに応じて住み分けることができるのかどうか、実はあまり自信はないけれど、しかしやれそうな気がしている。

 昨日、車に積んだままにしてあった写真の額を取りにいき、部屋の壁に飾った。
 いまぼくがいるのはとある温泉宿の社員寮だ。しかし、ここがいまのぼくの場所。いつも聴いている音楽を流し、いつも観ている映画を楽しみ、壁にはいつも眺めていた写真が貼ってある。
 借り物の部屋だけど、しかしこれでぼくの部屋だ。
 また、移動するときには、そういった気に入っているものだけを車に積んで、そのうちもっともっとコンパクトにして、スーツケースに詰め込んで、好きなときに好きな場所で生活できるようにしてみたいと思っている。
 そのためには、あと実践しておきたいのは、やはり本のデジタル化だね。
 これやっぱり嵩張るもの。それでも紙としての本を持っていたいという欲求を捨てることは、しばらくはできそうにないんだよなぁ。どうやって折り合いをつけましょうかねぇ。

 子供じみているといわれるだろうけど、気分としてはスナフキンなのね。ああ、それだとギターも持ち歩くことになるな。
 できたらテーマソングは The Byrds の Ballad of Easy Rider がいい。

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2013.09.10

Bohemian Blues 1

13_09_10

 旅館の朝は早い。
 とはいえ、仕事は 6 時半からだからそこまで早いとはいえないかもしれない。
 ぼくは毎日、5 時半に起きると用意をして、それから仕事をしている。仕事の場は配膳室。ここでまず朝食の用意をするところからはじまる。
 お客さんの食事の時間になると、今度は部屋の布団上げ。
 担当する部屋にもよるけど、最大で 10 部屋ほどの布団上げをすることもある。シーツに掛け布団のカバー、枕カバーは洗濯する必要があるので持ち運ぶことになる。これがなかなか重い。

 布団上げに、シーツ類の持ち運び。そしてこのあと朝食で使った食器の洗い物などしていると腰がともかく痛む。
 まだ四日ほどしか仕事をしていないけど、この腰への直撃とどう付き合っていくのかが、もしかするとこの仕事の最大の問題になりそうな気はしている。

 すべての作業が終わると朝食だ。
 時間はまちまちだけどだいたい 11 時前後になるだろうか。
 それが終わると、午後 3 時までは休憩になる。

 ぼくは部屋に戻るとまず昼寝をする。ともかく身体を休ませることが第一。まだ馴れていないこともあるけど、身体は大切にしたい。
 小一時間ほど寝ると、そのまま温泉へ。
 これは至福のとき。お客さんが使っているのと同じ浴場を使うことができる。

 部屋へ戻ると午後の出勤までの時間は Mac に向かう時間になる。
 原稿書いたり、blog を書いたり、あるいはいままでやっていた仕事を継続して片付けたり、やることはいろいろある。
 短時間に集中してやるようにしている。
 なにしろ、部屋には机がない。iMac を畳の上に直に置いているので、胡座をかいてキーボードを打っていると 10 分もすると膝が痛み出し、そして腰にも痛みがやってくる。
 ときおりごろりと横になりながら、いまのところは凌いでいるけど、この環境をどう整えるのかはこれからの課題になるかもしれない。

 午後の仕事は 3 時から。まず昼食を配膳室で摂るとそれから夕食の準備がはじまる。
 合間には布団敷きとお茶の用意がある。
 ドタバタしながら、お客さんたちが食事を終えると、食器の後片付けをしていくことになる。これがこれでまた大変だ。
 食器類の片付けが終わったら終了ということではなく、朝食の準備でできるところはやっておかなければいけない。
 それを終えて、仕事は終了。夕食を摂ると、部屋へ戻る。
 仕事が終わるのがだいたい 9 時前後だろうか。それから食事をして、また温泉につかって、部屋に戻るとだいたい 10 時にはなっている。
 さすがにこれからなにかをやろうという気はほとんど起きない。
 一時間ほどネットをやったり、あるいは Mac で映画など観て、11 時には寝てしまう。翌日も 5 時半起きだからだ。
 しばらくはこの繰り返しで毎日のリズムをきちんと作っていこうと思っている。

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2013.09.05

Bohemian Blues 0

 いま、とある温泉場に来ている。
 湯治客としてならこんなにいいことはないんだが、そうではない。
 故あって住む家を失った。
 どういう状況なのかを詳しく書くと、それこそ短編小説のひとつも書けてしまうかもしれないので、それはまた別の機会にということにしておこう。

 とりあえず身の回りの荷物をすべて車に積んで、衣服と本とそれから仕事関係のつまらない書類などなんだが、すべてが車に載ってしまった。これもすこしずつ断捨離したおかげだろう。
 そうそうもちろん iMac にバックアップ用の HDD、さらには MacBook と、暇なときにつま弾いていたギターも載っている。
 これがぼくの持ち物のすべてだ。
 身軽といえばとても身軽。
 今朝、逗子を出発して、夕方目的地に着いた。
 そこでなにをやるのかというと住み込みで働くわけだ。
 住む場所と食事とそれから温泉がセットになっている。

 家族と別れて、というか、切り離されたといった方がいいかもしれない。一方的にではなく、関係をゆるやかに断った状態になっている。まぁ、子どもたちも大きくなっていて、来年には独立をと考えていたところだから、それが早くなったと思えばいいのかもしれない。
 いや、無理矢理独立された子どもたちにしてみれば堪ったものではないかもしれないけど、まぁ、こうなってしまったのだから、時間を逆に戻してやり直すわけにもいかない。

 とても山深いところにある温泉場にいまいる。
 ネットは繋がるが携帯は繋がらない。携帯が繋がらないのはちょっと傷手だが、しかしネットが繋がるのはありがたい。
 こうして空いた時間を使って、なにかをアウトプットすることができるからだ。

 これからの生活はとてもシンプルなものになると思う。
 まぁ、それはこれからおいおい書くことになるだろう。
 ともかく、ぼくは生きている、ということを。

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