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2013.07.10

海のある街    9'8 17

 もしかすると一番風が強いときに、湾の外へ出ていたのかもしれない。
 湾の中は比較的静かだった。
 パドルを漕いでボードが進む感触がまったく違った。手応えがあるといえばいいんだろうか。パドルを漕ぐとちゃんと前へと進んでくれる。
 大きく漕げば進み方も早い。
 そうやってスクールの残り時間を湾の中で楽しんだ。
「ボードどうだった?」
 スクールが終わり、ボードの片付けを手伝っているとレイさんに尋ねられた。
 そうだ、今日はいつもとは違ってSTARBOARDのボードに乗ったんだった。
「風が強くてボードまで気が回らなかったかも」
 ぼくはそういって笑った。
「でも、戻ってきていろいろとやってみたけど、とても自然な感じだったかな。試乗会のときに、9'8 に乗ったけどあれと同じように乗りやすかったかもしれない」
 ぼくは続けていった。
「STARBOARDって、素直に乗れるところがあるよね」
 レイさんは頷いた。
「でも、よくこの風で往復したね。いや、大したものだ」
 そういってレイさんは笑いながらぼくをねぎらってくれた。
 SUPのボードの違いが、もしかするとまだぼくのレベルではあれこれいえるものではないかもしれない。
 でも、ひとつ気に入ったボードを見つけたことは確かだ。それを基準にしていろいろなボードに乗れば、ほんとうの好みが判るだろう。
 なにより、いまぼくはSUPの楽しさと、それから海の魅力に取り付かれようとしているところだった。これをほんとうに自分のものにしたとき、ぼくにぴったりのボードと出逢えそうなそんな気がした。
 それが、あの9'8だったら、それはそれで最高だ。

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

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