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2013.07.03

海のある街    9'8 12

 ボードによって乗り心地がまったく違うことを体感したぼくのSUP熱は高くなることはあっても、決して冷めることはなかった。
 その翌週、ぼくはまたスクールに参加した。
 天気はあまりよくなかった。雲が青空を覆い隠している。けれどその雲は雨をもたらすほど厚くはなかった。
 浜から海へと吹くオフショアの風が少し強めだ。
 天気のせいもあってかこの日の参加者はぼく以外にはひとりだけだった。もう何度もスクールに通っている人らしく、レイさんとも親しげに話をしている。
 いつものようにはじめに準備体操を終えると、今日はボードを選んでみようということになった。
「試乗会でもボードによって乗り心地が違うことがよくわかったでしょ。だから、今日はいつものとは違うボードに乗ってみて」
 レイさんはそういうと、浜に並べられたボードから選ばせてくれた。
 試乗会で乗ったボードと同じものがあるわけではなかったけど、いろいろなメーカーのボードが並んでいる。メーカーによって基本的な乗り心地はきっと同じだろう。
 ぼくは試乗会で気にいっていたSTARBOARDのものを選んだ。
 サイズは10.3フィート。幅は29インチで同じだが、長さが少しだけ長い。だいたい15センチほど違う。それがどれぐらいの影響を及ぼすのか、きっとぼくの技量では判らないだろう。
 リーシュをセットして右の足首に巻く。
「今日は名島いってみましょう」
 レイさんが沖を指さしていった。
 森戸海岸の先に浮かぶ島だ。島というよりも海から顔を出している岩礁といったほうがいいかもしれない。潮の満ち引きで島の大きさは変わってしまうが赤い鳥居があって、海の中にそれだけがポツリと浮かんで見えることもある。
 スクールでもすでに慣れている人はよく往復しているようだが、ぼくははじめてだった。

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

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