海のある街 9'8 9
すぐに浮き上がると、リーシュを引っ張りボードを引き寄せる。
ボードに掴まりながら、けれどぼくは嬉しくなっていた。
SUPの楽しさを身体が思い出したような感じだった。
そう、こうやって海へ落ちるのもSUPの楽しさのひとつなのだ。ぼくはそう思いながらボードの上に上がると、また立ち上がった。
海の上を渡る風を全身で感じながら、ゆっくりとパドルを漕ぎはじめた。
一度、自転車に乗れると、ずいぶん間が開いても大丈夫なように、ぼくもしばらくすると以前の感覚を取り戻したようだった。全身を使ってパドルを漕ぎ、多少無理な体勢からコースを変えたりしてみた。
何度か海へ落ちたけど、しかしそれはとても楽しい体験のひとつだ。
ぼくは海へ戻ってきた。
そんな手応えを感じながら、この日はともかくSUPと海を思う存分楽しんだ。もちろんボードから落ちることも含めてだけど。
※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。
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