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2013.04.26

海のある街    風の街 5

 そして二〇十〇年の四月にぼくは逗子に引っ越してきた。
 歩いて十分ほどで海までいける場所だった。
 引っ越してきたのはいいけど、逗子がどんな街なのかまったくぼくは知らなかった。ちょうどゴールデンウィークの直前に引っ越しをしたので、その連休の間あちこちをただ歩いて回った。
 もちろんはじめて逗子に来たとき最初に向かった逗子マリーナにもいってみた。
 JR 逗子駅と京急の新逗子駅の位置関係もわかったし、どこにどんな店があって買い物はどこですればいいのかも歩いて確認した。
 引っ越しの荷物の整理がだいたい終わった頃、元妻と連れだって海岸へいき、シートを広げて、サンドウィッチとビールでランチを食べた。
 天気のいい休日。
 海岸は多くの人たちで賑わっていた。
 東浜の方にはジェットスキーを楽しむ人たちがいて、西浜にはスクールがある関係かウインドサーフィンを楽しむ人たちがボードを並べてたむろっていた。
 シーカヤックを楽しんでいる人たちもいる。
 もう水着で海で遊んでいるこどもたちもいた。
 いままでぼくが住んできた街ではついぞ見かけることのなかった風景が、日常としてここにあった。
 いままで味わったことのない開放感を、ぼくは感じていた。
 このとき元妻はどうだったんだろう?
 海のある生活をどう考えていたんだろう?
 それでもまだこの年は、時間に余裕があるとこうやって海を眺めながらふたりでランチを食べることがあった。

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

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