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2013.04.24

海のある街    風の街 3

 南に向かって歩いている感覚はあった。
 それでもどこへいけば海へ出られるのか、まったくわからない。そもそも目的があったわけではなく行き当たりばったりで逗子に来てしまったから、あらかじめ地図を調べたりしていない。おまけに、当時はまだ iPhone なんかないから、GPS で位置を確認するなんてこともできなかった。
 なんとなく南に向かって歩いていればそのうち海へ出られるだろうと楽観していたぼくはそのまま歩きだした。
 郵便局に向かって歩くつもりだったが、なに気なく見上げた電柱に「逗子マリーナ」の広告看板を見つけ、この看板通りにあるけばいいんだろうと浅はかにも考えて、逆方向へと歩き出した。
 じつはそのまま歩いていればあと少しで「逗子海岸入口」の交差点に着くところだったのだ。
 逗子マリーナは思いの外遠かった。途中、何度も引き返そうとは思ったけど、もしかしてあと少しで海かもしれないと思うと戻ることができず、結局三十分近く歩いてやっとのことで小坪港に辿り着いた。
 けれどここはぼくが想像していた海岸ではなく、漁港とマリーナがあるだけで、砂浜がなかった。そのまま海沿いにと思ったが、道は行き止まりになっていて進めなかった。やむなくバス通りをとぼとぼと戻ることにした。
 駅の近くまで戻って「西浜入り口」という看板を見つけたぼくは、そのまま住宅街の中をあるき、逗子開成の横を通ってようやく海岸に辿り着くことができた。
 そのまま砂浜を歩き、波打ち際までいくと海を眺めた。
 海はとても碧かった。

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

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