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2013.04.16

海のある街    ペーパーフィルター 12

 その日、家に帰るとがらんとしたダイニングのテーブルに腰を下ろした。
 買ったばかりの珈琲豆の袋をそっと開けてみる。焙煎して挽いたばかりの豆の香りがぼくの鼻をくすぐる。とてもいい香りだ。
 ぼくは普段着に着替えるとすぐにダイニングに戻り、まずお湯の用意をはじめた。
 蛇口に浄水器はセットされていたけど、冷蔵庫に残っていたミネラルウォーターがあったから、それを湧かすことにした。ポットにたっぷり水を注ぐ。
 妻が、いや元妻がよく飲んでいた水だ。買い置きしてあって、まだ二、三本残っている。ぼくは水を飲む習慣がないから開けてもすぐに飲みきれない。せっかくだからこれからは珈琲や紅茶を入れるときに使おう。
 次にドリッパーとサーバーを用意した。
 それから別れてはじめて買ったペーパーフィルターのグリーンの箱を開ける。買っておいたのはもちろん一〜二杯用だ。ビニールを開けて、一枚取り出す。
 フィルターの横を折って、底を反対側に折り、ドリッパーに乗せる。
 珈琲カップも棚から出しておく。
 しばらくしてお湯が沸きはじめた。紅茶を入れるときはしっかりと沸かした方がいいとマスターはいっていたと思うけど、珈琲のときはどうだったろう? とりあえず温度だけ注意すればいいか。
 ガスコンロを消すと、湯気が勢いよく飛び出しているポットを持ち上げて、ドリッパーにセットしたフィルターを湿らせ、珈琲カップにも注いで暖めた。
 ここでちょっとポットのお湯を冷ます。
 その間に買ったばかりの珈琲豆をフィルターに放り込む。今回はちょっと贅沢に三十グラム使ってみることにした。メジャーカップは十グラムだから三杯入れた。
 さてと、これで準備完了だ。

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

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