« 御召御納戸? - Kyoto Camera - | トップページ | 海のある街    ペーパーフィルター 12 »

2013.04.15

海のある街    ペーパーフィルター 11

「それじゃ、フルシティローストにしてみますか? シティローストよりもひとつ上で苦みが強く出るはずよ」
「じゃ、それでお願いします」
 ぼくは頷いた。
「二十分ほどかかるけど大丈夫かしら?」
 そういいながら彼女は豆を袋に移した。
「それじゃ、あとで取りに来ます。いいですか?」
「もちろん」
 彼女は頷いた。
「あと、ついでに挽いてもらいたいんだけど」
「わかりました」
「これも挽き方があるんですよね」
 また、ぼくは尋ねた。
「ええ、そうね」
「これは何段階ぐらい?」
 知らないことばかりだ。
「ざっくりと分けると五段階かしら。ドリップだと中細挽きがいいかしら。あっ、苦いのがお好きなんですよね。その〜」
 そういいながら彼女は笑った。
「泥水」
 ぼくは頷いた。
「だったら、もうちょっと細かい方がいいかもしれない。細挽きにしておきましょうか」
 そういいながら彼女はレジの方へと歩き出した。
「煎り方で苦さが変わるのと同じように、理由があるんですか?」
 ぼくもレジへと向かいながらさらに訊いた。
「細かく挽いた方が苦みが出るの。だからエスプレッソに使うのは極細挽き。ドリップだとたいていは中細挽きでいいんだけど、もっと苦い方がということであれば、もう少しだけ細かい方がいいかもしれないわ」
 レジに戻った彼女はくるりと振り向くとぼくの顔を見ていった。
「じゃ、それでお願いします」

※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
 実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。

|

« 御召御納戸? - Kyoto Camera - | トップページ | 海のある街    ペーパーフィルター 12 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/476084/51225910

この記事へのトラックバック一覧です: 海のある街    ペーパーフィルター 11:

« 御召御納戸? - Kyoto Camera - | トップページ | 海のある街    ペーパーフィルター 12 »