海のある街 ペーパーフィルター 11
「それじゃ、フルシティローストにしてみますか? シティローストよりもひとつ上で苦みが強く出るはずよ」
「じゃ、それでお願いします」
ぼくは頷いた。
「二十分ほどかかるけど大丈夫かしら?」
そういいながら彼女は豆を袋に移した。
「それじゃ、あとで取りに来ます。いいですか?」
「もちろん」
彼女は頷いた。
「あと、ついでに挽いてもらいたいんだけど」
「わかりました」
「これも挽き方があるんですよね」
また、ぼくは尋ねた。
「ええ、そうね」
「これは何段階ぐらい?」
知らないことばかりだ。
「ざっくりと分けると五段階かしら。ドリップだと中細挽きがいいかしら。あっ、苦いのがお好きなんですよね。その〜」
そういいながら彼女は笑った。
「泥水」
ぼくは頷いた。
「だったら、もうちょっと細かい方がいいかもしれない。細挽きにしておきましょうか」
そういいながら彼女はレジの方へと歩き出した。
「煎り方で苦さが変わるのと同じように、理由があるんですか?」
ぼくもレジへと向かいながらさらに訊いた。
「細かく挽いた方が苦みが出るの。だからエスプレッソに使うのは極細挽き。ドリップだとたいていは中細挽きでいいんだけど、もっと苦い方がということであれば、もう少しだけ細かい方がいいかもしれないわ」
レジに戻った彼女はくるりと振り向くとぼくの顔を見ていった。
「じゃ、それでお願いします」
※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。
「じゃ、それでお願いします」
ぼくは頷いた。
「二十分ほどかかるけど大丈夫かしら?」
そういいながら彼女は豆を袋に移した。
「それじゃ、あとで取りに来ます。いいですか?」
「もちろん」
彼女は頷いた。
「あと、ついでに挽いてもらいたいんだけど」
「わかりました」
「これも挽き方があるんですよね」
また、ぼくは尋ねた。
「ええ、そうね」
「これは何段階ぐらい?」
知らないことばかりだ。
「ざっくりと分けると五段階かしら。ドリップだと中細挽きがいいかしら。あっ、苦いのがお好きなんですよね。その〜」
そういいながら彼女は笑った。
「泥水」
ぼくは頷いた。
「だったら、もうちょっと細かい方がいいかもしれない。細挽きにしておきましょうか」
そういいながら彼女はレジの方へと歩き出した。
「煎り方で苦さが変わるのと同じように、理由があるんですか?」
ぼくもレジへと向かいながらさらに訊いた。
「細かく挽いた方が苦みが出るの。だからエスプレッソに使うのは極細挽き。ドリップだとたいていは中細挽きでいいんだけど、もっと苦い方がということであれば、もう少しだけ細かい方がいいかもしれないわ」
レジに戻った彼女はくるりと振り向くとぼくの顔を見ていった。
「じゃ、それでお願いします」
※この物語は、私小説と与太話の中間のようなものだと思ってもらいたい。
実在の人物や、実在のお店などが出てきても、あくまでもフィクションです。
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