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2012.11.05

トンネルできました

 この前からちょこちょこと書きためていた「ものがたり屋」の続編「トンネル」がようやく完成しました。
 あとは推敲して、お終いです。

「例の場所にこれからいかないか」
 雅之から電話があったのは、蒸し暑い夜の十時過ぎのことだった。
「ねぇ、誘ってくれるのは嬉しいけど、わたしのこともちょっとは考えてよ。夜遅くにのこのこと出かけられるわけないじゃない。おとうさんうるさいの知ってるでしょ」
 麻美はそう断った。
「女の子がいれば雰囲気も盛り上がるのに、残念だな……」
 雅之は、本当に残念そうにいった。
「それで誰がいくの?」
 二階にある自分の部屋のカーテン越しに茹だりきってしまったような外の様子を眺めながら麻美は訊いた。とろっとした妙な暑さが街を包んでいるようだった。
「タケシと達也」
「友加里は? 彼女は誘ったの?」
「怖いから、ぜったいに嫌だって。付き合ってもう長いけど、あいつそんな恐がりだったっけ」
 携帯の向こうから雅之のちょっと残念そうな声が聞こえた。
 すこしノイズがかかっているのか、その声は聞き取りにくかった。
「時と場所によるわよ。だいたいいろんな噂があること知ってるでしょ。なのにいくわけ?」
 窓は開け放しているというのに、まったくといっていいほど風が入ってこない。麻美は思わず右手で髪をかき上げた。
「知ってるからいくわけ。まぁ、男の子だしな」
「男の子にしちゃ、老けてるわよ」
「確かに。でも、ともかくこれからいくことにしたんだ」
 雅之は、あっさりと答えた。
「マジで止めた方がいいって。あのトンネルだけはぜったいに止めた方がいいよ」
「心配ないって。明日、たっぷりと土産話聞かせてやるよ。それじゃ──」
 電話が切れた後、いいようのない不安を麻美は覚えた。けれどそれがどんな結末を招くのか、そこまでは想像できなかった。
 カーテンの向こうに見える街灯がそろそろ寿命が近いのか、ジージーと音を立てながら点滅していた。

 ということで、原稿用紙で 70 枚程度の短編です。
 もしかするともうちょっと絞るかもしれないけど、読んでみたいという人がいたら電子書籍化するつもりです。
 ちょっと時間がかかるかもしれないけど。というのも、もう「Sigil」の使い方忘れちゃってたりするので、そのあたり少し時間がほしいななどと思ったりするわけです。

 しばらくは毎日書くことを日課にしたいので、明日からは「靴」というやつを書いていく予定。
 これはもうちょっと短い感じで仕上げるつもり。
 ということで、よろしく。

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