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2012.09.13

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら

もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (幽ブックス)  今年の 10 冊目。工藤 美代子「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」読了。
 実は新刊当時、買おうと思っていたのだが、いつの間にか意識の外へとおいられてしまった一冊だ。そんなに深い意味があるわけじゃない。けれど、なぜいまのタイミングで読了したのか、もしかすると真剣に考えるとそれなりにおもしろいかもしれない。
 それはまた別の機会に譲ろう。

 偶然、図書館で見つけたのが確か、今年の夏前だったと思う。
なんとなくキーボードがただ叩きたくなったら図書館がひとつのパターンにはなっている。
 逗子市の図書館にはパソコン専用の席というやつがあって、パソコンや電卓などを使用する人はその席を利用することになっている。ただ、席数には限りがあって、全部で 15 席しかない。これがときおり埋まってしまうと、空くまで時間を潰す必要が出てくる。
 今日も図書館に来たのはいいが、生憎席が埋まっていた。しばらく本でも読んでと思って手に取ったのが、この本。だから、この本は図書館のものだ。図書館の本をこうやって読了後の感想を書くのは、はじめてのことだ。

 それはさておき、ぼくの勉強不足から工藤美代子にどんな著作があるのかよく知らなかった。
 エピソードのひとつに父親のことなどが出てきて、ああ、ベースボールマガジン社の創立者なんだということは想像がついたが、それじゃ工藤美代子はどういう人物なのかということはよく知らない。Wiki で調べてみたら、かなりの著作があることがわかってちょっとびっくり。それとともに、自分の勉強不足にも軽く失望したりして。ふむ。

 これは「幽」に連載された話に書き下ろしを加えて一冊にしたものだ。
 嘘は書かない、盗作はしないが信条のノンフィクション作家ということもあり、実際に体験したことをきちんと綴っている。本人は霊感はないと述べているが、それにしてはずいぶん体験しているんじゃないかと思うほどエピソードがいっぱいだ。
 冷静な筆運びのおかげで、しかしそれらの話が嘘偽りなく現実に起こったことなのだということをすんなりと理解させてくれる。

 こういう話には往々にして尾鰭がつきやすいんだが、ここにはそれがない。
 実際の体験にはオチがないので、というか、たぶん体験したことのある人なら、そういう現象に遭遇したときに、これは変だとは思わず、現実の中で起こっていることをそのまま受け止めて、あとで振り返って、よく考えてみたらそれはあり得ないとわかることがほとんどだと知っているだろう。だから実体験には起承転結もないことの方が多い。
 ストーリー仕立てにしてしまえばまた別なんだが、これはノンフィクションだし、おまけに淡々と書かれているので、リアルな話を楽しむことができる。いや、この手の話は楽しむべきことじゃないかもしれないけど。

 この世の中の事象をすべて説明できるほどぼくたちの科学は万能ではないということをわかっている人には、興味深い一冊だと思う。

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