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2012.02.20

死ねばいいのに

死ねばいいのに  今年の 2 冊目。京極 夏彦「死ねばいいのに」読了。
 積ん読のままずいぶん経ってしまった。いや、正確にいうと書籍アプリだから、放置していたということになるのか。
 小説は主に電車で読む癖がついていたので、なかなか読む時間をとることができなかった。ビジネス本だとサクッと読んじゃうんだけど、どうしても小説だとそういうわけにはいかないようだ。これからは、ちょっと読書の時間をとるようにすべきなのかもしれない。

 それはともかく、この本は書籍アプリで購入して、iPad にず〜っとインストールしたまま放置されてしまっていた。電車の中で読めばよかったんだが、電車の中で iPad の電源を入れるとつい別のアプリを、それも Web のリーダー系のアプリを起動してしまい、なかなかこの本を読む機会がなかった。
 でも、読みはじめると読了するまではあっという間。そこはそれ京極夏彦の話だから、読みはじめるとのめり込むように読んでしまった。
 それでも正直な話をすると、ちょっと内容を勘違いしていたのだ。
 だってタイトルが「死ねばいいのに」で、しかもそのはじまりが「亜佐美が死んだのはショックだったな」だから、つい学校を舞台にしたホラー系の話かと思っていた。
 けれど、まったく違った。

 殺されてしまった亜佐美について、渡来健也が彼女の知り合いに話を聞いてまわるものだった。
 亜佐美について知りたいという健也に対して、彼女の知り合いたちは亜佐美のことではなく、自分のことを、しかも自分に都合よく、飾り立て、自らの理屈で話をしていく。しかし、ただ話を聞くだけの健也が、都合よく飾っている部分を剥ぎ取り、薄っぺらなところを本人に見せつけていく。
 自らのことを、バカだからとか、礼儀をしらないからとかいいながら、自分の理屈でしている話をひとつひとつ剥ぎ取っていくところは、なんだか自分のあまりにも勝手な考えを見透かされてしまっているようで、あまりいい気はしない。

 けれど読んでいくうちに、この展開がおもしろくなっていき、次は誰がどんな話を切り替えされるんだろうかと楽しみにしていたら、それがとんでもない話になっていき、そして……。って、ネタをバラしてもしょうがないので、あとは読んでもらうことにしよう。

 それにしても京極夏彦の筆の勢いというか、話の展開というか、手練れだよなぁ。
 読み物のおもしろさを、それぞれのテーマとか、話の内容とかによって趣向を凝らして書いているところがすばらしい。あと一冊、積ん読のままになっている本が、これはリアル本なので文字通り積まれたままになっているんだけど、あるんだが、時間を作って読まなくちゃ。
 それはともかく、ひさしぶりに京極夏彦を堪能できて、いや幸せでした。

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