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2011.01.21

ビジネスで一番、大切なこと

ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業  今年の 1 冊目。ヤンミ・ムン、北川 知子訳「ビジネスで一番、大切なこと」読了。
 原題は「Different」。簡単にいうと、差別化ということになる。
 ビジネスで競合商品と差別化を図るということは大切なことだ。しかし、実際にビジネスの現場でいま行われている「差別化」は、本来の意味の差別化ではなく、単なる「異質化同質性」とハーバード・ビジネススクール教授を務めている著者は述べている。
 その端的な例としてあげられているのが、ペットボトル入りのミネラルウォーターだ。80 年代のアメリカではペリエとエビアンが独占していたこの市場に、いまや 1000 種類に近いブランドの商品が並んでいるという。

 第一部では、この差別化になっていない差別化の例を具体的に挙げ、第二部で著者が考える本来の意味の差別化を類型化して具体的に説明している。そのひとつが、リバース・ブランドで、Yahoo! のトップページがありとあらゆる情報への入り口となっていたのに比べて、Google はただ検索の窓しかないとか、IKEA などを取り上げている。
 ふたつめは、ブレークアウェイ・ブランド。ここでは、やスウォッチなどをあげている。リバースは、そのときの流れに逆行するような考え方のに対して、これは既存のカテゴリーを書き換える動きといっていいだろう。時計を、ファッションの道具にしてしまったスウォッチや、ロボットを作ったがそれをペットとして販売した SONY の AIBO。  そして、みっつめがホスタイル・ブランド。消費者を突き放す考え方で、怪しげな飲み物だという噂を肯定も否定もせずしかし支持者を獲得したレッド・ブルなどがその例としてあげられている。
 もちろん、この類型化がすべてではないし、これがこのままなにかの回答になるわけではないことは、著者が自ら書いていることだ。興味深いのは、このみっつの考え方をうまくミックスしているのが、Apple だという指摘だ。なるほど頷ける。

 第三部では、それまで考えをまとめて、市場調査に頼るのではなく、アイディアをきちんと考え出すことの重要性を説いている。

 ブランディングを含めて、競合するものと差別化を図るということはとても大切なことだということは、わかっていたが、それが単なる機能の付加や、あるいは味付けを代えて選択肢を増やすといった手段では、本質的な差別化にはなっていないということがよくわかった。
 ビジネスという観点からだけでなく、ものごとの本質をきちんと理解した上で、アイディアを考え、突き詰めていく大切さを学んだような気がする。
 個人的にも、とても勉強になる一冊だった。

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