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2010.05.20

電子書籍の衝撃

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)  今年の 21 冊目。佐々木 俊尚「電子書籍の衝撃」読了。
 引っ越しのドタバタと、逗子での海まで歩いて行ける生活の快適さのせいで、読み終えるのに時間がかかってしまった。まぁ、ぼくは基本的に本を電車の中でしか読まないようにしているので、GW 中、読む機会がほとんどなかったということもあるけどね。
 さてこの本、発売当時、といっても先月の頭のことだけど、一部で大いに話題になったことで知られている。デジタルブック版をキャンペーン期間中、110 円で販売していたからだ。もちろんぼくもそれを知ってすぐにダウンロードした口。iPhone でさくさくと「本」をベースとしたコンテンツを読む体験をしたかったからだ。

 で、これを読み終えて思ったことは想像以上に読みやすかったということ。アプリの T-Time が優れているということもあるだろう。iPhone でも表示がとても眼にやさしかったこともある。そのせいなのか、ボリュームを負担に思うことなく読み終えてしまった。こんなに手軽に読めていいのか、と実は読み終えるちょっと前に本屋で実際の本を確認したけど、ちゃんとした一冊の本だった。ということは、これから電子書籍の時代が本格的にはじまったら、いままで以上に「本」を読むことができるかもしれない。いや、iPad で本を読むようになったら、たぶんちょっとでも時間があったら、なにかを読むということになるかもしれない。

 内容としては、音楽がどのようにしていまの形になったのかということを、いわば見本にしてこれから電子書籍へと移行していくであろう流れをまとめたものだ。個人的には、現在の本の流通を担っている販社の歴史なんかがとても興味深かった。
 確かに、コンテンツとしても本ということを考えると、いまの形態で書店に並ぶ本の大半は駄本ばかりということが続くんだろう。それでも、おもしろい本を見つけることはできるとは思うが、どんなに抗っても電子書籍への流れは止められないだろう。それがいつのことになるのか、日本ではそれだけが問題だと思う。
 CD の売上げが急降下して疲弊している日本の音楽業界、というか、なぜ他の国、たとえばアメリカなんかはそういう流れをちゃんと考慮した上で別のビジネスモデルを組み立てて、それまで以上に売上げを稼いでいるのに、日本は駄目なのかということがとても疑問なんだが、たぶん書籍についても似たような状況になるんだろう。
 そこで大切なのが、いま自分たちが作っているものは「コンテンツ」なのだという意識なんだろう。
 既成の概念に囚われ、いままでの本や CD あるいはさまざまな商材としてしか考えないのか、もっと別の次元でコンテンツそのものとして考えられるのか、それがこれからの鍵になるに違いない。

 いまぼくは iPhone 用のアプリを作っている最中だけど、これを単なるアプリとしてしか捉えられないのか、それともコンテンツとして捉え、いろいろな広がりや可能性を見いだせるのかで、これからどう活動していくのかということが大きく変わるに違いない。
 そうなんだよね、ぼくがいま作っているのは形は iPhone アプリだけどこれは一種のプラットフォームとして考えるべきなんだよなぁ。
 などと電子書籍がどうのということとは別のことを考えさせてくれる一冊、ってデジタル版でもそう数えていいんだよね、そう一冊でした。

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