« 96 時間 | トップページ | アバター »

2010.04.16

冥談

冥談 (幽BOOKS)  今年の 20 冊目。京極 夏彦「冥談」読了。
 三日間で立て続けに三冊読了した感じになっているけど、実はちょっと違う。ぼくは、いま電車に乗っている間しか基本的には読書しないようにしている。というのも、前にも書いたことがあるけれど、ただ本を読んでいいとなるとバカみたいに本を読み続けてしまうことがあるからだ。そうなると仕事もなにもかもほっぽり出して読書に熱中してしまうことも考えられる。だから、そうならないように制限をかけている。
 ということで、昨日読んだ「社長ノート2」は確かに昨日一日で読み終えたが、その前に読んだ「20歳のときに知っておきたかったこと」は三日ほどかかっているし、今日読み終えた「冥談」は、先月、新潟に出張した際の行きに半分ちょっと読み終えて、残りを今日読み終えている。
 だからどうしたということではないんだけど念のため。

 さて、京極夏彦の一冊だ。「数えずの井戸」はかなり分厚い長編だったが、とはいえ京極堂で慣れているのでさほど厚さは気にならなかったけど、これは雑誌に掲載されたものに書き下ろし二編を加えた短編集だ。
 「冥」という言葉が表しているように、とても暗く、そして妖しく、この世とはどこか違うような世界を描き出している。それぞれの話はどれもがその「冥」という雰囲気を伴った話になっていて、ひとつ読み終えるごとに、そんな「冥」の世界に引き摺り込まれるような気にさえさせてくれる。

 彼の筆運びというとちょっとあれだけど、物語り方が独特の雰囲気を持っていて、それが読んでいるぼくの感情や感覚をぐらぐらと揺さぶり、ふと本から眼を離すとそれまでとは違う場所に来てしまったような感覚に陥ることがあるんだが、そのうつろわせてくれる不思議な感じがとても心地良い。
 手練れの文章といってしまえばそれまでなんだけど、彼の語り口が醸し出す、妖しさというのは、独特のものなんだよなぁ。どこか不確かな、そうこの世界の陰がすうっと薄くなっていくようなそんな感じといえばいいんだろうか。

 でもこうやって短編集を読んでいると、どうしてもまた京極堂が読みたくなっちゃうんだけど、いつになったら次の「鵼の碑」は出るんだろう?

|

« 96 時間 | トップページ | アバター »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/476084/34264383

この記事へのトラックバック一覧です: 冥談:

« 96 時間 | トップページ | アバター »