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2010.02.04

厭な小説

厭な小説  今年の 8 冊目。京極 夏彦「厭な小説」読了。
 そろそろ小説が読みたいなと思っていたら、京極夏彦の新刊本が出ていた。「数えずの井戸」だ。もちろんすぐにレジへ直行したことはいうまでもない。でも、その前に読みかけを読了しなければということで「厭な小説」を読み終えた。
 どうして読みかけにしておいたのかというと、ほんとうに「厭な小説」だったからだ。もちろん、おもしろい。それに、相変わらずの筆の調子で、京極夏彦ほど巧い作家をこのところぼくは知らない。文章の巧さでいうと半村良を凌ぐといってもいいだろうと個人的には思っている。もう読んでいて、京極夏彦の筆に弄ばれているような感すらある。

 その巧さで「厭」な小説を書いているのだ。スタイルとしては連作になっているんだが、内容はおもしろいというよりも、ちょっと普通の感覚とはかけ離れた話に徐々に徐々に移行していく。ごくごくありふれた語りはじめから、気がついてみるととてつもなく「厭」でしかも不気味で不思議な世界へと誘われる。ということで、半分ほど読んだところで疲弊してしまったのだ。彼の筆の巧さならではということだろう。

 で、再び読み出してみると、やっぱりこれがおもしろいんだよなぁ。毒気に当てられそうになったけど、残り三編だったので一日であっさりと読み終えることができた。
 帯には「知りませんからね読んで後悔しても」とあるんだが、決して後悔はしないけど、なんだか「厭」な後味が残ることは確かだ。でも、その後味以上におもしろいことも、また確かなんだよね。

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