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2009.04.27

「幽霊屋敷」の文化史

「幽霊屋敷」の文化史 (講談社現代新書 1991)  今年の 10 冊目。加藤 耕一「「幽霊屋敷」の文化史」読了。
 ディズニーランドのホーンテッドマンションをメインとして、その起源を探るといった趣の一冊。ホーンテッドマンションについてただ詳しく説明しているだけでなく、ゴシックホラーのはじまりから、またエンターテイメントとして幽霊の出し物を楽しむマシンといってしまえばいいんだろうか「ファンタスマゴリー」の解説などを詳しく繙いてくれている。
「ゴシック」の語源がルネッサンス時代の芸術家たちによって蔑称として生み出されたということははじめて知った。なんとなく「ゴシック」という言葉を聞くと中世の石造りの城のイメージがあるんだが、それは 18 世紀のイギリスで廃墟を楽しむというブームと繋がっているんだそうだ。
 なぜこの時代に廃墟をという疑問が湧くんだが、そもそもヘンリー 8 世が国教を設立した際に、カトリックの修道院をすべて解体したことに端を発しているんらしい。これが二百年経ち廃墟となって、その頃の墓地派の詩人たちの活動もあり、ブームに結びついたんだとか。なるほどねぇ。
 また、ホーンテッドマンションの仕掛けのほとんどが実は「ファンタスマゴリー」の技術がベースになっているということもはじめて知った。あの仕掛けは現代のテクノロジーではなく、19 世紀の中頃にヨーロッパで人気を博した出し物のテクニックがベースになっているんだとか。う〜む、これは正直いって驚きました。
 ついでにマダム・タッソーの蝋人形のその歴史など興味深い話が数多く載っていて、恐怖に繋がるものがエンターテイメントとして昇華されていく歴史の流れがよくわかった。
 先週観た「スリーピー・ホロウ」のベースとなった伝説も、ドラキュラやフランケンシュタインといってこのゴシックホラーの流れを汲んでいて、その流れがヨーロッパ大陸からイギリス、そしてアメリカへと伝わっているのもおもしろい。それにしても、なるほどゴシックホラーにはこういった背景があったんだなぁということがとても勉強になりました。

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