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2009.01.06

覘き小平次

覘き小平次 (角川文庫 き 26-12 怪BOOKS)  今年の 1 冊目。京極 夏彦「覘き小平次」読了。
 実は、去年の夏前に読みはじめて、あと 30 ページほどで読み終えるというところで停まったままになっていた。一気に読み終えるのが惜しくて、ちょっと我慢のつもりが年越しにまで延びてしまった。半年ほどブランクがあったというのに、そのまま読み続けだしたんだが最初の一行目であっという間にすべての物語が頭に蘇り、なんの違和感も感じることなく読み終えることができた。
 それにしてもこういう一冊を読むと、前からわかっていることではあるんだが、京極夏彦という作家は実に手練れというかなんというか上手いよなぁ。
 人物が全部生きているのは当たり前なんだが、その人生が絡み合いストーリーを紡ぎ出すところはもちろん、文章の一行一行、一文字一文字がその世界を鮮明に描き出している。
 又市が出てくるんだがほんの端役といった程度。「嗤う伊右衛門」と同様に、小平次を中心に、といっても存在感のまったく薄い小平次ではあるんだけど、その回りに蠢く、まさに蠢くという表現がぴったりだろう人たちの世界が描かれている。
 人の感情というものをこういう形で描けるというのは凄いのひと言。いや〜、もったいなかったけど、でも読み終えないとね。ということで、実におもしろかった。

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