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2008.02.27

チャンピオンたちの朝食

チャンピオンたちの朝食 (ハヤカワ文庫SF)  今年の 12 冊目。カート・ヴォネガット・ジュニア、浅倉 久志訳「チャンピオンたちの朝食」読了。
 書かれたのは 1973 年だから、35 年前の作品ということになる。でもなんていえばいいんだろう。この前、読んだばかりの「国のない男」と続けて読んでもまったく違和感がない。それどころか、同じようなタッチで書かれている気さえする。
 ヴォネガットらしいといえばいいんだろうか、普通の小説のスタイルをわざと壊して書いている。直筆のイラストも物語の一部になっているし、後半に作者自身がストーリーに絡んでくるんだが、というかそんな小説は滅多にお目にかかることはできないだろう、しかもその中の一節でまさにこの小説の根幹を説明している個所さえある。
「なにがアメリカをこんなに危険で不幸な国、実生活でなにもすることのない人びとの集まった国にしているのか、いったんそれを理解したとき、わたしはストーリーテリングを避けようと決心した。人生について書こう。どの人物にも、ほかの人物とまったくおなじ重要性を与えよう。どの事実にもおなじ重みを持たせよう。なに一つなおざりにはすまい。他の作家たちには、混沌の中に秩序を持ちこませおけ。わたしは逆に、秩序の中に混沌を持ちこもう。自分ではそうしたと思う」
 主人公のひとりはあのキルゴア・トラウトで、おまけに彼が書いた小説のプロットが数多く紹介されているし、ケツの穴のイラストは出てくるわ、男はペニスのサイズが書かれ、女はスリーサイズが書かれている。いやだからなんだということではなく「秩序の中に混沌を持ちこもう」というのが、そしてそのやり方がとてもヴォネガットらしいと思ってしまうのだ。
 それにしても「スローターハウス5」の次の長編がこれなんだよね。さて、次はなにを読もうか?

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