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2008.01.23

溺レる

溺レる (文春文庫)  今年の 6 冊目。川上 弘美「溺レる」読了。
 もっとブンガクの続きである。まさかここまで一気に川上弘美してしまうとは思っていなかった。そこまでツボに嵌った訳ではないのになんだかとても心地良い。ほわほわしているとか、ゆらゆらしているとか、なんと表現すれば的確に伝わるのかはわからないけど、日常的だけどしかし現実からちょっとだけ逸脱している独特の世界にたゆたっているのがとても心地良い。
 このたゆたう感じは、彼女の小説ではもちろん「東京日記」でも味わえたものだ。
 この一冊は、肌を重ねたり情を交わしたり蹂躙されたりアイヨクに溺レたりと、男と女の関係が描かれている。出てくる人物が食べるものが妙に現実的だったりするわりには、その関係に肉体だったり汗だったりという具体的なものを感じさせない。とても観念的にふたりは交わっている。だからなんだろうか、すらすらと淀みなく読めてしまって、そのくせ心になにかが引っかかっていつまでも尾を引くような感じがしてならない。
 これからは新刊を追っかけていくことになるかもしれない。

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