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2008.01.21

龍宮

龍宮 (文春文庫)  今年の 4 冊目。川上 弘美「龍宮」読了。
 ブンガクの続きである。これが川上弘美の本来の姿なんだろうか。とても不思議な話が詰まった一冊だった。世界がとてもゆらゆらしているとでもいえばいいんだろうか、ほんわかしているとでもいえばいんだろうか、それともぐにゃぐにゃしているとでもいえばいいんだろうか。はっきりしているのはなにも確かなものはここにはないということだ。だからといってリアリティがないわけではなくて、この世界との接合点がいやにはっきりしていなくて、でも違うものがしっかりと馴染んでいる、そんな話ばかりだった。
 解説には「カフカ」の名前も上がっていたが、「轟」を読んでいてぼくが思ったのは倉橋由美子だった。彼女の独特の世界観と同じなのではなく、感性がとでもいえばいいんだうか、表現方法も表現も描写ももちろん川上弘美なんだけど、どこかに通じるなにかがあるようなそんな気がした。もちろんそれがなんなのか、いまのぼくにはわからない。ただ、ふっと倉橋由美子を読んでいたときの気分を思い出しただけだ。
 でもおもしろい。ただ、一気に読み終えるのはちょっともったいないという気もあったし、辛くもあった。頭がこういう本を想定していなかったからなぁ。いったん慣れてしまえばどうってことはないんだが久しぶりにこういう種類の話を読んだ。
 そして、改めてこの手の小説のおもしろさを思い出せてくれたような気がする。
 もう一冊、彼女の本を読むことにしよう。

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