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2007.12.03

四次元ポケット

 どうやらわたしのスーツのポケットは四次元ポケットだったようだ。
 文房具屋でチャック付きの「シールバック」というやつを買った。とても小さいビニールの袋で出張なんかのときに薬を小分けしたりできればいいなぁと思いながら選んだ。210 円だったのでレジで小銭入れから硬貨を取り出して支払を済ませて、ちゃんと小銭入れはポケットに戻した。
 会社に戻ってポケットから買ったばかりのシールパックを取り出してそのひとつに薬を入れてちゃんと使えるかどうか試してから、デスクの上を確認したら小銭入れがない。
わたしの記憶ではシールパックを取り出したときに一緒にデスクの上に小銭入れを置いたはずだった。
 慌ててポケットに手を突っ込んでみるがなにもない。確かにスーツの左側のポケットに入れたはずだった。というかいつも小銭入れは左側のポケットと決めている。もちろん会社に戻る間、左のポケットにそれなりの重さを感じていた。だから当然入っているはずなのになにもない。どんなに手を突っ込んでかき回しても、ポケットを引っ張り出して中身を確認してみてもなにも入っていない。わたしは無意識のうちにマジックを披露しちゃったんだろうか? 狐につままれたという表現がまさにぴったりの状況。
 いやそんな状況なんか体験したくはないんだがまさにそれ。ただ突っ立って呆然としてしまった。ああそうだ茫然自失という言葉もあったっけ。って、もうなんでもいけどその類の単語がまさに正解としかいいようのない状況。
 たぶん普通の人なら、どこかで落としてしまったのだろうと探すか諦めるだろう。
 でもわたしは違う。もしかして左のポケットが四次元ポケットだったらそのうち戻ってくるかもしれない。
 落としたことを認めたくないわたしはそう頑なに信じることに決めた。いつか戻ってくるかもと。でないと哀しいじゃない、ただ落としただけだったら。あんなに茫然自失しちゃったわけだから。

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