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2007.10.11

村上春樹にご用心

村上春樹にご用心  今年の 52 冊目。内田樹「村上春樹にご用心」読了。
 ここまできちんと、というよりはきっぱりとといった方が適切なような気はするが、村上春樹を説明してくれる人をはじめて知った。
 基本的には blog 日記に書いた村上春樹に関連するエントリーをざっとピックアップして、まとめたものである。中には、雑誌などに掲載したものも加わっている。ただし、加筆訂正がされていて、ものによってはまったくといっていいほど内容が変わっているものもあるらしい。このあたりは本人でないとわからないだろうが、内田樹の blob を日々読んでいるわたしにとってみれば、別段それが大切なこととも思えない。なにしろ、一年前に書いたものはまったく他人が書いたものとして校正できてしまうような人だから、初出がどうのということはこの人に関してはあまり気にする必要はないと思う。
 それよりも内容である。項目によっては名前だけしか出てないじゃんみたいなところもあるが、きちんと読めばその文章の核がきちんと村上春樹の本質を言い当てていることがわかる。しかし、こうズバッといってくれると嬉しいなぁ。
 あまり詳しく書いちゃうとあれだろうけど、ともかくなぜ村上春樹が世界性を獲得しているのか、またどうして批評家と折り合いが悪いのかといったことが、ほんとうに簡単に書かれてしまっている。
 これを読んでから改めて村上春樹を読めば、きっと今まで以上に村上春樹の世界が理解できるはずだ。いや、わたしの場合はそうである。というか、この本を読んでいる最中にもかかわらず、あああのシーンはこういうことか、とか、あの話ってのはこういう意味だったのかとか、だからあのシークエンスがあるんだなとか、ともかくいろいろなことがわかっちゃったのである。
 こういう質の仕事こそ批評家のすることだと思うんだが、どうも日本には本当の意味での批評家いうやつは育ちにくいのかもしれない。
 それにしても、いやいい本であった。ちょっと偉そうだけどさすが内田樹といいたい。

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