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2007.10.26

ローマ人の物語 30

ローマ人の物語 30 (30) (新潮文庫 し 12-80)  今年の 57 冊目。塩野七生「ローマ人の物語 30」読了。
 人の能力がどう活かされるのか、あるいはどう成長できるのかということについて、やはりその人が生きている時代なり、世界が大きく関わってくる。
 そういう意味でマルクス・アウレリウスは恵まれていたとはいえないまでも、その時代や世界と乖離はしていなかったのだろう。自身がどんなに哲学者に憧れようが、身体が弱かろうが、前線に立って指揮をする必要に迫られたとき、その責務を果たした。しかし、その実子であるコモドゥスはただの無能者として評価されている。時代を感じたり、世界の変化を才能がないという見方もできるかもしれないが、その時代や環境が大きく関わっているような気がする。
 しかし、五賢帝の時代はそのすべてが実子ではなく才能を見込まれた人物が養子という形で継いでいき帝国の運営を見事にやってのけたのに、実子に継がせた途端に破綻するとはね。
 この文庫のタイトルが「終わりの始まり」になっているがやはりどんなに権勢を誇っていても、進歩がどこかになければ瓦解がはじまってしまうんだなぁ。どんなスケールの集団でもやはり止まることでどこかか腐敗していき、崩壊する運命を辿るんだろう。
 しかし長すぎる平和が帝国の瓦解の発端になるというのはこれほど皮肉なこともないだろう。

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